[尾下研究室] [講義情報] [プロジェクトI]



Eclipseを使ったJavaプログラミング


1.はじめに

統合環境「Eclipse」を利用すると

などのメリットがある。

※機能の例:コード入力補完ステップ実行(1行ずつ実行)ウォッチ(変数の値を監視)

※コンパイルはバックグランドで自動的に行われる(実行前に手動でコンパイルする必要は無い)。

注意:本ページは、現在CL端末にインストールされている Eclipse 4.3.2 向けの説明である。以前までの Eclipse 3.6 向けの説明はこちら


2.Eclipseの起動方法

  1. Windows のプログラムメニューから「eclipse」を起動する。
    start menu
  2. 初めて起動するときには、「使用データ・アップロード」について聞かれるので、適当に選択して(必要なければオフにして構わない)、次に進む。
  3. ようこそ画面「Welcome to the Eclipse IDE for Java Developers」が現れたら、「ワークベンチ」をクリックする。
    ようこそ画面
  4. プログラム作成画面に切り替わる。
    プログラム作成画面
  5. 「ワークスペース」の設定を変更する。
    プロジェクトのファイルを置くワークスペースのディレクトリを設定する。
    デフォルトの場所は Z:\workspace に設定されているので、ここにプロジェクトのファイルを置く場合は、変更の必要はない。
    メニューから、[ファイル] → [ワークスペースの切り替え] → [その他] を選択する。
    ワークスペースの切り替え
  6. ワークスペースを自分のディレクトリ(Z:)、もしくは、その下の適当なディレクトリに変更する。
    ワークスペース・ランチャー
  7. ※注意:上記2〜5は、Eclipseを初めて起動したときにのみ行えば良い。


3.プロジェクトの作成方法(新規プロジェクトの作成)

  1. メニューから、[ファイル] → [新規] → [Javaプロジェクト] を選択する。
    新規Javaプロジェクトの作成
  2. プロジェクト名を入力する。下記の例では「CharacterRecognizer」を入力している。
  3. デフォルト・ロケーションを使用」が選択されていることを確認して「完了」をクリックする。
    プロジェクト名を入力
  4. 新しいプロジェクトが作成されたことを確認する。
    新しいプロジェクトの完成

4.既存ファイルをプロジェクトにインポート(取り込み)

  1. 下記のように既存ファイルをプロジェクトにドラッグ&ドロップする。
    プロジェクトにドラッグ&ドロップ
  2. 以下のようなメッセージが表示される。
    プロジェクトにドラッグ&ドロップ<
  3. 「ファイルをコピー」を選択して、[OK]をクリックする。
  4. 以下のようにプロジェクトにファイルが追加される。
    プロジェクトにドラッグ&ドロップ

5.エディタ

5.1 エディタ画面の見方

Javaパースペクティブ

ツールバー

[1]パッケージ・エクスプローラー
プロジェクト、パッケージ、ファイル、クラスなどの要素を木構造で表示/管理する。
ファイルを開くには、ファイルをダブルクリックする。
クラスや変数、メソッドをダブルクリックすると、宣言位置にジャンプする。
また、要素を右クリックすると、新規作成や削除、宣言・参照位置の検索、実行やデバッグなどの操作を行える。

[2]エディタ
プログラムを編集する。エディタの操作方法を参照する。
※エディタ左枠のアイコン

[3]問題/宣言/コンソール

[4]アウトライン
編集中のファイルのアウトラインを表示する。
要素をクリックすると、その宣言位置にジャンプする。

[5]画面切り替え
エディタ画面、デバッグ画面を切り替える。
(メニューの[ウインドウ] → [パースペクティブを開く] からも画面切り替え可能)


5.2 エディタの操作方法

エラー箇所の指摘
Eclipseでは常に自動コンパイルを行いコードを監視しているので、コーディング段階でエラーチェックができる。

エラーや警告の理由は、その箇所にカーソルを合わせると表示される。
また、エディタ左枠にクイック・フィックス(エラー) クイック・フィックス(警告)アイコンが表示されている場合は、クリックするとエラーの理由や対策が表示される。


5.3 コード入力補完(コード・アシスト)

クラスや変数、メソッド名の入力を候補から自動補完してくれる機能。
Ctrl+スペース」キーで使用する。

例:(heightをどこかで宣言しているとする。)
「hei」まで入力して「Ctrl+スペース」キーを押すと「height」に補完される。

候補が複数ある場合は、候補ウインドウが表示される。

コード・アシストの候補

この場合、続けて文字を入力して候補を絞り込むか、カーソルキーの↑↓で候補を選択し、「ENTER」キーで確定する。
(または、「.」や「(」などの名前の次に入力する記号を入力すれば確定する。)


6.実行方法

※コンパイルはバックグランドで自動的に行われる(実行前に手動でコンパイルする必要は無い)。

[1]実行するファイルを選択(クリック)する。例では「RecognitionApp.java」を選択している。

次を実行

[2]ツールバーの「構成および実行構成および実行」ボタン右の▼をクリックし、[実行] → アプリケーション(java RecognitionApp)として実行する場合は [Javaアプリケーション] をアプレット(appletviewer RecognitionApp.java)として実行する場合は[Javaアプレット]を選択する。

実行画面

※次回からは構成および実行ボタンをクリックするだけで、前回の設定で実行できる。


7.デバッグ

デバッグでは、プログラムの実行を中断して一行ずつ実行することや、実行時の変数の値の推移を見ることが可能である。
これらの機能を利用することでデバッグの効率が向上する。

7.1 デバッグの開始

※コンパイルはバックグランドで自動的に行われる(実行前に手動でコンパイルする必要は無い)。

※実行の方法と同様に
[1]実行するファイルを選択(クリック)する。例では「RecognitionApp.java」を選択している。
[2]ツールバーの「構成およびデバッグ構成およびデバッグ」ボタン右の▼をクリックし、「デバッグ」→
アプリケーションとしてデバッグする場合は「Javaアプリケーション」を
アプレットとしてデバッグする場合は「Javaアプレット」を選択する。

デバッグの開始

パースペクティブ切り替えの確認画面が表示されるが、「はい」を選択(クリック)する。

パースペクティブの切り替え

※次回からは構成およびデバッグボタンをクリックするだけで、前回の設定でデバッグできる。


7.2 デバッグ画面の見方

※デバッグ中に,自動的にこの画面に切り替わらない場合は、メニューの「ウインドウ」→「パースペクティブを開く」→「デバッグ」を選択して切り替える。

デバッグ画面

[1]デバッグ
スレッドやスタック・フレームの一覧。
スタック・フレームスタック・フレーム」をたどることで、どのメソッドから呼び出されたか(呼び出し履歴)がわかる。
各ボタンについては、ステップ実行を参照する。

[2]変数
現在選択されているスタック・フレーム内の変数の値を表示する。

[3]ブレークポイント
ブレークポイントの一覧。

[4]式
監査式と値の一覧。ウォッチを参照。

[5]実行中の行
実行中の行を示す。

[6]画面切り替え
エディタ画面/デバッグ画面を切り替える。
※デバッグを終了しても自動でエディタ画面に切り替わらないので、手動で切り替える必要がある。


7.3 ブレークポイント(プログラムの実行を中断)

ブレークポイント

デバッグ時に、指定した行でプログラムの実行を中断したい場合に使用する(実行可能な行のみ設定可能)。
※メンバ変数にブレークポイントを指定した場合は監視ポイント監視ポイントとなり、変数をアクセスおよび変更した時に中断する。


7.4 ステップ実行(1行ずつ実行)

デバッグ中に、プログラムを1行ずつ実行する機能。

  1. デバッグ中に、ブレークポイントまたは「中断中断」ボタンでプログラムの実行を中断する。
  2. 「デバッグ」ビューのボタンでプログラムの実行を制御する。

7.5 ウォッチ(変数の値を監視)

デバッグ中に、変数の値の推移を監視し続ける機能。

  1. デバッグ中に値を確認したい変数にマウスカーソルを移動すると下図のように値を確認できる。
    ウォッチ
  2. 前の操作はマウスカーソルを利用するため、一時的な確認しかできない。そこでウォッチ機能を利用する。
    1. デバッグ中に監視する変数をダブルクリックして選択する。
    2. 右クリックしてポップアップメニューから「監視」を選択する。
      (※別の方法は、「変数」ビューからウォッチしたい変数を右クリックして「監査」を選択する。)

      ウォッチ
    3. 式ビューに監査式が追加され、値の推移を監視できる。
      ウォッチ
    4. ※監査式を削除するには、「式」ビューで削除したい監査式を選択して「delete」キーを押す。


8.付録:Eclipseのインストール(Windows)

参考ページ
http://www.kkaneko.com/rinkou/javaintro/eclipse.html
Eclipse 4.3のダウンロード、インストール、設定、日本語化をする手順が説明されています。
このページを参考にインストールし、使用してみてください。

※この他にも、参考になるサイトが数多くあるので調べてみてください。


― 作成者:2014年度TA飯沼(齊藤研) ―