[尾下研究室][研究テーマ] [English]



操作ログからの動作ルールの学習


[mpeg (15,735 KB)] demo animation (mpeg1, 15,735 KB)
映画のコンピュータグラフィックスによる群衆やコンピュータゲームには,自律的に動作する仮想人間が使われている.これらの仮想人間の動作制御は,どのような状況でどの動作を実行するかといった,動作の開始条件を定義した動作ルールを用いて行なう.現在,動作ルールはプログラミングやツールを用いて手作業で作成されている.しかし,複数の人間を考慮した動作を実現するためには,多数の動作・特徴量・条件を組み合わせる必要があり,手作業での動作ルールの作成は困難である. 本研究では,ユーザーが仮想人間を操作できるアプリケーションを作成し,ユーザーが操作したときの操作ログを解析することで,ユーザーが操作した通りに動作する動作ルールを自動的に抽出することを目的とする. 本研究では,動作ルールを抽出したい仮想人間や状況において,ユーザーが仮想人間を操作できるアプリケーションをあらかじめ作成しておく.ユーザーにこのアプリケーションを操作してもらい,そのときの操作ログから動作ルールを自動抽出する手法を提案する. 本研究では仮想人間の操作ログからSVMを用いて動作ルールを抽出する.このとき,1つのSVMのみを使用すると,以下の2つの問題があり,不自然な動作が選択されてしまう.そこで,本研究では,複数のSVMを組み合わせることで,このような問題を解決する手法を提案する.1つ目の問題として,様々な状況に対応するために多くの特徴量を用いると,多くの教師データが必要となり,教師テータの数が不十分な領域では,予期しない動作となることがある.2つ目の問題として,一般的に用いられるRBFカーネルを用いたSVMでは,特徴空間を動作ごとに分類するときに,一定の半径でしか分類できないため,部分的に分類の細かさを変更することができないことがある.1つ目の問題について,本手法では,特徴の次元が異なる複数のSVMを作成し,特徴次元数の高い順で階層化したものを,動作の決定に用いることで解決する.2つ目の問題について,本手法では,1つ目の問題の解決策で紹介した各次元のSVMについて,特徴空間を動作で分類するときの半径を変えた,複数のSVMを用いることで解決する.各次元のSVMごとに,特徴空間をメッシュで区切り,メッシュの各セルにおいて,教師データの動作と,各SVMを用いて判定した動作が一致するかを判定し,認識率が最大になるSVMを使用する.


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